harenotchy’s diary

つれづれと日々の詩を書きます

日々ふりつもる

掃除をすればするほど 掃除しなければならない部分が増えるように 知れば知るほど 自分の知っている部分がちっぽけで まだまだ知らなければならないことに気づく 何もしなければ こんな発見はなかった 日々ふりつもるホコリも 日々ひろがっていく文字の羅列…

ていねいに

ていねいに生きよう でもどうやって? たとえば ていねいな文字 うつくしく書こうなんて思わなくたって伝わるからね たとえば ていねいなことばづかい 一度発したことばは帳消しにすることが難しいからね たとえば ていねいなくらし 自分を大切にできなけれ…

とうめい

ぴかぴかに磨き上げられた ガラス窓は まるで何もないように見え その向こうのとうめいな空気を 運んでくるようだ とうめいなのは 無色とはまたちがって そのものの色が消えたからこそ 浮かび上がらせるものがある とうめいのビニールバッグは 涼しげな夏を …

アイロンがけ

くしゃくしゃになったシャツに アイロンをかけるくらい すっきりすることって 他にある? 一二を争うくらい めんどくさいこの作業だが 世界がひっくりかえるくらいの 絶大な効果がある気がする この世には くしゃくしゃになったらもう 元には戻らないものの…

26歳の夏

若さのエネルギーをエンジンに 今日までここまで駆けてきた サイズが微妙に合わない 透き通ったガラスの靴を えいやと脱ぎ捨て粉々に割ったら びっくりするほどせいせいした 夏至をすぎたら あとは少しずつ短くなる日を 背中に感じて折り返し地点を曲がるだ…

わたし

目が覚めて 鏡見て 今日こそは 化け物になってるんではないかと ドキドキする朝がある 残念ながら その期待はいつも かんたんに裏切られるのだ そう さほど昨日と変わりのない わたしに 幻滅するだけだ おはよう 今日もわたしだね でも なぜわたしはわたしな…

call me by your name

きみの名前でわたしを呼んで わたしはきみで きみはわたしで 夏の日差しの中に ふたりの魂が輝きあって 透きとおった川面の中に ひとつに溶けいって きみはわたしで わたしはきみで 理想のわたし 失うことのない 美しい記憶よ わたしの名前できみを呼ぶ 何度…

必要なのは

かわいた心を潤すのに コップ一杯の水は要らない 遠くの波音と 少し汗ばむ肌が 感じられればよい 閉ざした心を取り戻すのに 激しいノックは要らない あたたかな日差しと 琴線にふれる詩(うた)が 流れ込めばよい

はる

かぜが吹いた まだつめたいけれど どこかはるのにおいがする 冬の間 遠のいていた みんなの足どりも 日差しのあたたかな公園や 明るい街のブティックの店々の前に 戻ってきた 少し前に必需品だった 冬物は 全てセールになって 消えていった 店員さんは ひっ…

2月

気がつけば 2018年ははじまっていて あっという間に1月は終わり いまや2月 世間はバレンタインデーに向けて 浮き足立っているが チョコレート以外これといって 何も特別なことはなく過ぎ去る月 寒くて家から出るのもおっくうで インフルエンザは蔓延してて …

クリスマス

雨降る夜 今年はレイニー・クリスマス デパートの中のカフェで ホットチョコレートを飲んだ チョコレートが沈殿するのでよくかき混ぜてくださいねと店員さん 美味しいチョコレートをホットミルクで引き伸ばしたような美味しさだ つまりオシャレなココアだ ダ…

ささくれ

冬は ささくれ 指の一本一本に 律儀に出でたるも 痛々し 冬は ささくれ 親不孝の証と 言われるも 苦々し 赤く冷たくなった 指先に ふうっと 息吹きかけて ささくれだった 心を なだめる

会いたい

ひとりでいるから さみしいなんて そんなことはない どんなにたくさんの人に 囲まれていても さみしい夜は無数にある 誰でもいいから 一緒にいたい だなんて 投げやりなことは 思わないよ ただ 会いたい まだ見ぬあなたに 会いたい 誰でもよくなんかない誰か…

たまには

たくさんの物に囲まれていながら 私たちが手にするのは いつも決まって ほんの少しのお気に入りたち ざっくり編みのセーターも 紺色刺繍の靴下も リボンのシュシュも ペタンコの靴も 何度も何度も身につけている 服やカバンや靴と同じように 気づけば 同じ言…

ふうせんのように

こころは ふうせんのように ふわふわどこかにいってしまう ひもをくくりつけて どんなに固くにぎりしめていても ぷつりと切れて 飛んでいってしまう かと思えば すっかり飽きてしまって 簡単に手放してしまう たいせつに たいせつに わたしのふうせんも わた…

思い出して

ふと思い出して 思わず微笑んでしまう そんな 心に明かりをのこしていく人 いいなあ わたしも だれかに ふと思い出されて その人に微笑みをうかべさせられたら いいなあ

やさしさ

やさしさは 儚くて 無理解で ときに残酷で。 でも希望があって。 どこまでものびていくのかな やさしさの平行線。 やさしさとやさしさの距離が いつの日か縮まるといいな。

となりの芝生

となりの芝生は青くて そのとなりの芝生も青く そのとなりのとなりの芝生も青い 地球のあらゆるところに となりの芝生の連鎖が広がってる まわりまわって うちの芝生も 青いのだ だから 気付かないふりして 抜いてしまわないで そして 余所見しないで いまの…

時間はのびちぢみ

とにかく はやくはやく がっこうにはいって すとれーとでそつぎょうして すぐに はたらいて すうねんかんしたらすぐに けっこんして すぐに こどもうんで こそだてして またはたらいて さいそくされる じんせい ああもううんざり はやくはやくと はやくおわ…

ひとびとのなかで

寒空の下 畑の真ん中で すすきの穂たちが 見事なビッグウェーブを繰り広げていた 都会にいようが 田舎に行こうが 変わらず ひとびとの中で ひとに関わって 生きなければならない ああ あのすすきたちを うまく統率している 風になりたい ひとびとを こごえさ…

かわいそうに

かわいそうに って言われたら ほろりと泣いちゃうよ あ、わたし かわいそうなのかって 甘えてもいいんだって かわいそうに って言われたら こころの中で ほほえんじゃうよ あ、わたし 許されるんだって かなしみに ひたっちゃうよ

ゴッホ 最後の手紙 を観て

ゴッホは あこがれの画家 孤高の人 天才なのに 生きてる間 認められず 売れた絵は一枚 狂気の芸術家としても知られる 映画は 100人の画家によって 一コマ一コマ 丁寧に油絵で描かれた ストーリーは ゴッホの自殺をめぐるミステリー だが 見慣れたゴッホの絵…

たまごの人生

まだゆで卵になりたくない が ぼちぼち半熟くらいまできてしまっている。 ずっと生卵のままでいたかった だけどもう鮮度はない。 スクランブルエッグや出し巻き卵にも なりたかった だけどもうその選択はない。 そんな人生。 たまごの人生。

ファッション

なんでも ファッション感覚って 楽しいものだ 料理も家事もアートも おしゃれで キラキラしてて ファッションっていいね でも それらは ファックション! とクシャミしただけで 飛んでいきそうなくらい かるくてもろい 必死でやれ!と ファッションに重りを…

名月

交差点の向こうで 立ち止まって空を見上げる人がいた そうか今日は中秋の名月 つられて見上げたその先に 青白き光を発した神秘の衛星 誰かに 伝えたくなる 何かを 思い出したくなる でも 携帯を握りしめて 記憶の彼方の番号を 指でさぐって ため息ひとつ つ…

変わらないもの

どんどん変化する 生まれ育った町も 取り巻く世界も あなたの心も それでも 目には見えなくとも 変わらないものが ずっとある 帰りたい いつか そのもとに 変わらないために 変化し続けよう いつも 神様はいじわるだ

ハーブスのミルクレープ

ミルクレープは、 ミルク・クレープ ではない。 ミル・クレープである。 意味は、千枚のクレープ。 だけど ふんだんにミルクが使われているだろうし ミルク・クレープでも良いじゃんね。 ところで今日 ハーブスでミルクレープを食べた。 クレープの一層一層…

平和を求めて

許さない、 という言葉が あふれている この世の中には 眉間にシワ寄せて 汚いことばで罵り合って 感情でドロドロになっている 人たちが たくさんいる みんな コンクリートの心で ピリピリひび割れ おこしてる それでも 絶滅寸前の 街中の公園には 平和にブ…

無題

月の満ち欠けを教えてくれる 新しい手帳 黒く塗りつぶされた小さな丸に じっと目をこらす 今日は新月 さみしそうにしている懐のうさぎを 助けに行こう そして 無事帰ったら お気に入りのマグカップで ホットミルクを一杯飲もう

生きる

生きるには 人ひとり生きるには たくさんの血と涙と汗がながれる 何のために生きてるの なんて ぜいたくな質問 生きてるだけで 息するだけで 精一杯 だけど いちにちの終わりの ほんのすこしだけ 空を仰ぎ見る時間 私のために流されたであろう 多くの星たちに…