harenotchy’s diary

つれづれと日々の詩を書きます

2019-01-01から1年間の記事一覧

あしあと

足の裏を 濃い墨で塗り潰しているのか どうしても どこを歩いても 足跡を残してしまう どんなに忍び足でも どんなに爪先立ちしても わたしが訪ねたここそこが すぐに知れてしまう いっそ堂々と あなたにわかるように わたしが歩いてきた道程を しっかり残そう

まだ見ぬきみへ

まだ見ぬきみへ まだ見ぬきみに会いたいと お父さんとお母さんは 空を見ては 手紙をつけた 風船をとばしました 海を見ては 紙片の入った 瓶をながしました ずっとずっと きみをさがしていました きみをまっていました うちへの地図ももっていないのに 風にま…

りんかく

きみを忘れまいと その輪郭を何度も何度も なぞった 目でなぞった 舌でなぞった 指先でなぞった しかし のこったのは 断片的な輪郭線と記憶 いくら組み立てようにも きみはのこらなかった ばらばらになった 頬の丸み 耳のふくらみ でっぱった踵 少しずつ集め…