harenotchy’s diary

つれづれと日々の詩を書きます

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

息子へ

白い雲が ゆっくりと 流れていくのを 今はただ 見上げているだけだけど もう少ししたら 同じスピードで 歩いていけるだろう そしてあっという間に あの雲よりも 早く早く かけて行くだろう 母は その姿を 後ろから じっと見守ることしかできないだろう 白い…

名札

私という名札をつけて 堂々と歩いていれば 道行くひとに 私の名を呼ばれていた それが当たり前だった いまや 私だけでないたくさんの名札を つけていなければならなくなった いちばん大きな名札は 母親 その次は 妻 そして まだまだ根強い 娘 私はいつしか …

深いスープ皿の底で

深いスープ皿の底で さんかくずわりして 遠い星空を見上げるとき スープが透き通っていれば 光がすっと差し込むし スープがどんよりにごっていれば なかなか光は届かない 暗闇のなかは孤独である からだは冷たく固まっている しかし勇気を持って 水面まであ…