2018-06-30 とうめい ぴかぴかに磨き上げられた ガラス窓は まるで何もないように見え その向こうのとうめいな空気を 運んでくるようだ とうめいなのは 無色とはまたちがって そのものの色が消えたからこそ 浮かび上がらせるものがある とうめいのビニールバッグは 涼しげな夏を とうめいの紅茶は 見逃していた風味を とうめいの魚は どくどくと流れる生命を 感じさせる とうめいのすきとおった こころというのは 何を感じさせるものなんだろうか