2018-07-26 麦わら帽子 波打ち際で 笑ったあの子の横顔 大きな麦わら帽子に隠れて 口もとのほころびだけが 風に溶けて消えてった 名前も声も思い出せない 麦わら帽子のあの子 記憶のかなたで 海のかおりとともにぼうっと浮かぶ いつか会う約束 砂浜に棒切れで書いた落書き すぐに波に打ち消されたろうに 麦わらの細かい網目の すきまから ひっしにとらえようとした かすかな表情だけが 遠くの白い雲に映し出される